私の両親は外国の人に対しても、日本人と同じように接する所があります。
彼らが日本に住むのであれば、日本に馴染むようにと、日本のマナーやルールを自分の子供と同じような気持ちで伝えて来たといいます。
そんな状況でしたので、両親の友人の中には、中国出身の人も、台湾出身の人もいます。
日本ではほぼ交わされない話題
両親の外国人のお友達。
この人たちは、みな日本で知り合った友人たちです。
海外に疎かった私
我が家には台湾出身の友人が何人もいるので、私は自然と台湾という国があるんだと思っていました。
ですが、台湾に来るまで、それがどこにあるのか一度も考えたことはありませんでした。
そんな状態でしたので「台湾はどこの国のものか?」についても、考えた事はなかったですし、それが話題に上がったこともありませんでした。
台湾に来たら事情が一変した
台湾の語学学校に通いだすと、次第に台湾人のお友達が増えて行き、台湾人のアイデンティティに関する話をいろいろと聞かされるようになりました。
台湾という国は存在しない?
台湾の法律上の正式名称は、中華民国(ちゅうかみんこく)といいます。
私が台湾で申請している在留資格の書類は中華民国に提出しますし、幼児教育について学ぶ際に参照する法規は中華民国政府が公布しているものを見ています。
台湾を旅行しているだけでは、ほとんど気づきませんが、実際に居住許可を得て生活していると、様々な所で中華民国という表記に接する事になります。
台湾特有の暦があります。
台湾では、中華民国の暦を主に使っています。
保険証を申請する時や病院にかかる時、大学の年度表記など、そのほとんどすべてで中華民国で何年かと聞かれます。
例えば今年は西暦2020年ですが、これは中華民国では、たったの109年となってしまいます。
中華民国暦の計算方法
書類の記入フォームには「民国 年」と書いてある事が多いので、その場合は中華民国の暦で書きます。
例えば2000年生まれの人の場合、民国89年生まれという事になります。
私の同級生は確か民国89年生まれだったような…。
若いっていいなあ。
台湾の大学の年度の表し方
台湾の大学は9月にはじまり、二学期制をとっています。
これから2019年の第二学期の授業がはじまろうとしている所ですが、中華民国暦で考えるので、年度としては第108年第二学期となります。
ついでに言うと、大学の年間スケジュールは行事暦と呼ばれ、大学の公式サイトに行けば誰もが見られるようになっています。
その時に英語表記の資料があれば良いのですが、それがなかったり、英語は苦手という場合は、中華民国暦の方を参照する事になります。
また大学側に成績証明書を申請するなどの際も中華民国暦で申請する事になりますので、西暦から1911年マイナスする事を忘れないでくださいね。
中華民国とは?
さて、先ほどからずっと言っている、中華民国とはいったい何なのでしょうか?
細かな事は気にしないで、ものすごーく簡単に説明すると、あるとき中華人民共和国(私たちがよく言う「中国」の事です)国内で、共産党と国民党の間で内戦が勃発しました。
その当時、中国の国民党の孫中山リーダーが提唱し、定めたのが中華民国という新しい国家の名称で、かつ、1912年1月1日を中華民国の元年元旦としたのです。
二つの中国と台湾
ここまで聞いて、頭がこんがらがったりしませんか?
私は最初の頃、何がなんだかわかりませんでした。
日本が戦争に負け、毎年終戦記念日にあれから何年と報道されているわけですが、第二次世界大戦が終結したのは確か1945年だったはずです。
ご存じのブログ読者の方も多いと思いますが、日本政府が台湾を統治していた時代があって、それは敗戦の1945年頃まで続いていたはずなんです。
でもいま現在、私たちが台湾と呼んでいる国で使っている中華民国暦は1912年1月1日を元年元旦と定めています。
単純に計算して、終戦の34年前には中華民国が誕生していたという事になるようなのですが、その良し悪しは別として、歴史的に見ると、当時の日本帝国は1895年6月17日に台湾総督で「始政式」を行い、1945年9月2日までの約50年間、台湾を統治していた事実があります。
では何故、共産党が治める「中華人民共和国(中国)」の他に、もう一つの「中華民国(中国)」が存在するのでしょうか。
さらに、その地域は、なぜ中華民国と名乗り、中華民国暦を用いているにも関わらず、他の国からは台湾と呼ばれたりしているのでしょうか。