こんばんは、マリアです。
今日は香港俳優の映画を見ながらひとりお部屋で晩ご飯を食べました。
映画って本当に楽しいですね。
あなたが香港映画と聞いて、想像する俳優さんは誰ですか?
ジャッキー・チェンって知ってる?
最近の若い人はジャッキー・チェンのこと、どれぐらい知ってるんでしょうか。
テレビに出ているタレントさんやお笑いの人たちで、ジャッキー・チェンのファンを公言している人って多いですよね。
日本ではむかし香港映画ブームがあって、テレビでもよくジャッキー・チェンの映画を流していました。
日本では香港俳優の代名詞ともいえるジャッキー・チェンですが、台湾でも人気なのでしょうか。
台湾のテレビではジャッキー・チェンを見かけない
私が台湾留学をはじめたのは2015年の事です。
当時宿泊していた所の部屋にはテレビがなくて、ホールにみんなでくつろげるスペースと大きなテレビが一台ありました。
そこは共有スペースになっていて、キッチンなどもあるので、ご飯を作ったり、他の人とお話出来たり出来るのです。
まだ中国語が話せなかった私ですが、台湾人の子がテレビをつけているのを近くで見たり、誰も居ない時は自分でリモコンを操作してみたりしていました。
台湾には第四台と呼ばれる有線放送があって、これに契約すると約433チャンネルも見る事が出来るのです。
そこのテレビも第四台に加入していたので、たくさんの番組を見る事が出来ました。
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そうは言っても、なに言ってるかわからなかったりするので、見る物は限られてくるのですけどね。
これだけチャンネルがあると、映画専門チャンネルもあって、言葉がわからなくても、ものすごく面白い映画をよく放映している事に気づきました。
見ているうちに段々と、この面白い映画は、どれも作られた時代が少しずつ違うのだけど、どうも香港の同じ俳優さんの作品のようだと思いました。
あまりによく見る顔だし、おかしなことやってるし、言葉はよくわからないけど、でもカッコいい俳優さんなので、見る度に彼の事が気になりだしました。
ある日、またテレビで見かけたので、放映していたチャンネル名を記憶すると、急いで部屋に戻ってネットで名前を調べたら、それが周星馳という俳優さんだとわかりました。
彼の有名な作品を見ていくと、日本ではチャウ・シンチーと呼ばれている事が判明して、嬉しかったのを今でも覚えています。
台湾では香港映画といえば、チャウ・シンチ―のようで、今でもほとんどジャッキー・チェンを見かけません。
たまにジャッキー・チェンの映画が放映されていると、ほんとに珍しいので、逆にびっくりするぐらいです。
台湾人と話すならジャッキー・チェンよりチャウ・シンチー
台湾で知り合った人と好きなテレビ番組の話になる事があります。
でもそんなにいつもテレビばかり見ている訳ではないので、まずはハリウッド俳優の仲間入りをしていて、話題にしても無難なジャッキー・チェンの話をする事が以前は多かったのです。
「ジャッキー・チェンは日本人なら知らない人いないぐらい人気なんだよよ。でも、台湾のテレビではほとんど見ないね。ジャッキー・チェンは台湾では有名じゃないの?」って。
すると、今まで楽しそうに会話していた相手の表情が途端に変わります。
ある人は黙り込み。
ある人は露骨に嫌な顔になってこう言います。
「日本人は、ジャッキー・チェンなんかが好きなの?」
私の感覚では、日本ではジャッキー・チェンは有名だし、人気者だと思うのですが、私は特にそんなに好きではないし、むしろ台湾で知ったチャウ・シンチーの方が大好きです。
なので、すぐに「日本では知らない人いないぐらい有名だけど、私は台湾でよくチャウ・シンチーの映画見てたので、彼の大ファンになったよ」
と話題を変えると、相手は途端に笑顔になって「チャウ・シンチー、ほんと面白いよね!!」と場が和みます。
台湾人の前で言ってはいけないジャッキーの名前
5年間台湾に住んできて、台湾人に向かってジャッキーの名前を出してはいけないと、私は身を持って知りました。
台湾の人は、日本人がお天気の話をするような感覚で、年齢、連れ合いと子供の有無、お金の話、お給料いくらもらってるか、政治の話など、初対面だろうと何だろうと、平気で聞いてきます。
よっぽど国際色豊かな職場にいるとか、欧米に住んだ事がある人でない限り、それは彼らにとってタブーではなく、世間話みたいなものなのです。
そんな、会話にタブーがないかに思える台湾の人たちですが、ジャッキー・チェンの名前だけは出さない方が良いです。
それまでの和やかな空気が一瞬にして凍り付きます。
台湾人にジャッキー・チェンが嫌われている理由
台湾でジャッキー・チェンがそこまで嫌われているとは知らなかった頃、私は何度か彼の名前を出してしまっていました。
そうすると相手がとても不機嫌になって「日本ではジャッキーなんかが人気なの?ジャッキー・チェンは、散々台湾で金儲けしておいて、中国よりの発言してるんだよ!」と言われたことが何回かありました。
その怒りの矛先は私ではなく、ジャッキーにだという事はわかるのですが、いつもかなり気まずいです。
あ、またこの間のあの人と同じこと言ってる。と、私も徐々に気づきます。
細かく調べるときりがないので、ざっと調べただけですが、ジャッキー・チェンは、私の知る限り、2006年と2007年に、公の場で、はっきりと中国寄りの発言をしていました。
下に動画のURLも載せたのは2007年にジャッキー・チェンが発言したものです。香港で生まれ育った彼の母語は広東語ですが、きれいな中国語で話しているのがとても印象的でした。
あなたはもし「当たり前じゃん!映画でジャッキーは中国語で話してるよ!」と思うかもしれませんが、そのほとんどは吹き替えです。
それはジャッキーの声ではありません。
とにかく、あのジャッキー・チェンが、ものすごく流暢な中国語で、こんなこと言ってたんです。
ジャッキーの問題動画
意訳するとこうなります。
問題の動画
2009年4月18日海南博鰲論壇(Boao Forum for Asia)出席の際に発したスピーチで「中國電視機爆炸論」,別名「成龍自由爆炸論」。
この発言に、かなりの香港、マカオ、台湾人が不快感を覚えたという記録があります。統計を取ったわけではありませんが、少なくとも私が出会った台湾の人たちは、みな明らかに不機嫌になったのは事実です。
はあ?ジャッキー、あなた公の場で何いってくれちゃってるの?
あなた香港人ですよね?なんで台湾人の分まで勝手に代弁してるみたいに「我々中国人は中国政府の管理が必要だと思っている」とかいってるわけ?
さんざん台湾に来て、映画も公開して、台湾人のお金で儲けさせてもらっといて、その仕打ちがこれですか?
と、いう事らしいです。
私はチャウ・シンチーの大ファンなので特に話題に困らないのですが、あなたがジャッキー・チェンの大ファンの場合は、相手を選んで話した方が安全だと思います。
相手が親中派なら、もちろん喜んでジャッキーの話を一緒にしてくれるでしょう。
また、語学学校の先生も職業柄、優しく微笑んで「あら、そうなの?」と話を聞いてくれると思います。
だけどジャッキーは親日家
台湾の人たちからは嫌われているジャッキーですが、彼の日本を愛する気持ちは変わらないようです。
上の動画の中でジャッキー・チェンはこうも言っています。
中國的會暴炸!!
為什麼呢?因為中國很多品牌,不給人家有信心,太多一些小的商家影鄉了大的商家,一些偷雞摸狗的人,好好的,加什麼奶粉的那些,都是一種‧‧‧,唉,我講不出來,反正一講很生氣!
中国のは爆発するからね!!
なぜかって?中国にはたくさんブランドがあるけど、信頼できない。
多くの小さな商店が大企業に影響を与えている。コソ泥のように人目を盗んで不正を働くような人がいるおかげで、何か、こう、コーヒーミルクを加えるような…。ああ、上手くいえないけど、とにかく、ひと言で言うとものすごく怒ってます。
ちょっと何の質問に対しての返答かわかりませんが、取り上げた動画は知り合いの台湾の人たちが怒っていた理由とは、あまり直結しない内容のようでもあります。
ジャッキーが言いたいのは、「華人よ、日本人のように、もっとしっかりやってくれよ!」という事なのかな?
最初に香港と台湾が乱れていると発言した経緯も、もしかしたらそういった、「華人よもっとしっかりやってくれよ!」という気持ちから来た物で、しっかりやらないなら中国政府の管理も必要なんじゃないかと思い始めているという風に取れなくもないですね。
またジャッキーの方は、「私たち中国人」と言っていますが、中国本土と香港人と台湾人は、それぞれ別だと考えている人たちからしてみれば、到底受け入れられない話なのかもしれません。
マリアは大好きチャウ・シンチー
前回日本に帰った時、家族と一緒にチャウ・シンチーの映画について語ろうと思ったのですが、誰もチャウ・シンチーのことを知りませんでした。
小林サッカーは日本でも公開されて、テレビでも放映されましたけど、その頃の私はまだ彼の面白さがぜんぜんわかってなかったんですよね。
でもたぶんそれって、日本語の吹き替えで見たからかも?と、思いました。(吹き替えのお仕事の方、ごめんなさい。🙇)
個人的な意見ですが、見ていていちばんおもしろいのは、ご本人の声そのままの広東語版で、尚且つ中国語字幕のものです。
次に声がご本人と少し違うけど、中国語吹き替え版も、おもしろいです。
特に彼の映画は広東語で韻を踏んでいる事が多いです。ですので、なるべく原語で見るのが面白いのです。
最後に、私が台湾ではじめて見たチャウ・シンチーの映画のタイトルをご紹介しますね。
そのタイトルは、整蠱專家で、邦題はトリック大作戦 (整人專家)です。
これは一年に一回再放送してるんじゃないかと思うぐらい、台湾ではよく見ます。
日本では恐らく二枚目俳優のイメージが強いと思われる、あのアンディ・ラウが、チャウ・シンチーと一緒に二枚目半を演じているのがすごいです。
それからチャウ・シンチー映画には欠かせない、ン・マンタ(吳孟達)さんもこの当時から出演しています。
さて、チャウ・シンチー、アンディ・ラウ、ン・マンタという日本語表記ですが、これはどれも中国語読みの発音ではないので、広東語の発音を日本語表記に変えたものだと思われます。
チャウ・シンチーの中国語吹き替えの人
チャウ・シンチーの中国語版吹き替えの人を見つけました!
その人は、なんと、台北人でした。
ああ、どれも聞いたことある声。ちょっと想像してた人と違いました。(笑)
最近はずっと不安になるようなニュースが多いですよね。
お時間のある方は、ぜひチャウ・シンチーの映画を見て気分転換してみてくださいね。
彼が監督している映画は、どれも、笑えるのだけど、必ずどこかで涙腺が緩む所があるんです。
面白い映画見てるはずなのに、なんで泣いてるの~?と思いながら、また笑ってしまうマリアなのでした。
太自由了,就變成香港,今天這個樣子很亂,而且變成台灣這個樣子也很亂,我慢慢覺得原來我們中國人需要管的。』