台北は東京の約1.2倍の湿度!長雨でも洗濯を乾かす方法
台湾は沖縄に近い島なので、一年中気温の高い、温かくて過ごしやすい場所だと想像する人も少なくないのではないでしょうか。
台湾のことを良く知らないと、常夏なんじゃないか、Tシャツ一枚で行けるんじゃないかと誤解してしまいそうですが、実際は台湾は、東南アジアにも含まれていないですし、島の場所によっては天気も気候も随分と違うんです。
台湾の雨季はいつ?その特徴は?
台湾の中央気象局での分類では、台湾は台湾北部、中部、南部、東部、本島の外の島の5つに大きくわけられています。
台湾の北部は夏はスコールがあります。
(スコールというのは、短時間にまとまった大雨が一気に降って、そして数時間後にはやむというものです。)
では雨季は夏なのかというと、
正解は、冬なのです。
台湾の雨季なのだから、降っても大したことないんじゃない?
と思う人もいるかも知れません。
だけど、それは大きな誤解で、台北の雨季は、気分が沈みこんでしまいそうなぐらいの雨が降ります。
日本の夏前に経験する梅雨でさえ、雨の日が数日も続けば憂鬱な気分になりますが、それでも、雨がやんだその数日後には青い空を見る事が出来たり、色とりどりの花を目にしたりと、その先に楽しい夏が待っていると気づかせてくれるものがありますよね。
ところが台湾北部は雨季に入ると、一日中どしゃぶりの雨という日が、数日なんていう可愛い物ではなく、2週間つづく事もふつうにあるのです。
しかも、季節は、冬です。
お天気の良い日には、冬でも日本の東京と比べたらずいぶんと温かいのですが、何日もまとまった雨が降りはじめると、気温も一気に何度も下がるので体温も奪われて行き、とても寒く感じます。
雨が降っていない時と降っている時の温度差が5度や10度という日もあるので、体調管理をに気をつけていないと風邪をひきます。
日本人の私は四季を通して洋服で体温調整する事に割と慣れていましたが、電車内や学校で咳をしていたり、鼻をかんでいるのは大抵地元台湾の人たちなので、この人たちはずっと住んでいるのに、この天気に慣れないんだろうか?と、少し不思議なぐらいでした。
私はそんな雨の町、台湾の北部で6年間過ごして来ましたが、台湾南部の人たちの話を聞くと、同じ台湾でも気候が違う事に気づかされます。
台湾南部は北部よりも年間通して気温が数度高く、そして台北ほど、雨が降りません。
体感的にも肌がジリジリと焼ける感じがあります。
体感的にも台湾北部は常に湿度が高く、ジメっとしているので、冬の寒さは肌が痛くなります。
そんな台湾北部の天気に慣れることが出来ず、故郷に帰る人もいるぐらいです。
もしかしたら、あの風邪をひいていた人たちは、台湾北部以外の場所から来ていた人たちなのかも知れませんね。
台北の湿度は東京のなん倍?
日本にいた時、北海道から上京して来たと言う子に、「東京は北海道より寒いし、痛い」と言われた事があります。
東京で生まれ育った私は何をいわれているのかよくわからなかったのですが、詳しく聞いてみると、北海道はサラッとした寒さなのに対して、東京は北海道よりも湿度が高いので、その分、寒さが肌を突き刺すような、痛みを伴う寒さだという事なのでした。
東京出身の私からしてみても、台北北部は、その湿度の高い東京を超えている感覚があります。
台北の湿度は東京の3倍ぐらいあるんじゃないかな?と思って過ごして来ましたが、今回は実際に台湾の中央気象局が発表している1981年から2010年のデータで確認してみましたので、読者のみなさんにシェアしますね。
台湾の中央気象局発表の1981年から2010年のデータから読み解くと、湿度がいちばん高いのは2月でした。
データは5つの地域が発表されていて、台北市(東京23区に相当)では平均 80.6%
同じく台北北部の淡水では84.1%
台北の山中にある竹子湖では89.3%
同じ山の中に位置する鞍部では92.6%
そして港のある基隆では81.2%となっていました。
山の中は涼しいイメージがありますけど、こんなに湿度が高いのは、世界共通なのかしら?という、また新たな疑問が生まれてしまいました。
それはまた今度にするとして、これら5か所の平均湿度をマリアが表計算ソフトを使って算出してみたところ、なんと85.56%にもなりました。
これは最高記録ではなく、平均値を取ったデータという所に注目していただきたいと思います。
では、今度は、北海道の子が痛寒いといった東京と比べてみたいと思います。
同じ1981年から2010年の東京のデータと比較するため、日本の気象庁のサイトを閲覧します。
すると、日本で湿度がいちばん高いのは、想像通り梅雨の時期の7月でした。
そして1981年から2010年の7月の東京のデータを同じく表計算ソフトで算出すると、その平均は73.23%になりました。
台北は東京の3倍の湿気というのはちょっと言いすぎだったかも知れませんが、台湾北部は東京の約1.168倍の湿度という事がわかりました。
台湾の洗濯事情
台湾北部は物価が高く、ここ数年で建てられたような豪華でお洒落なマンションは、一般人には到底手の届かない物件です。
私が住んでいたのも昔からある台湾の一般的な住宅で、造りはお洒落で綺麗でも、窓やドアに少し隙間があいていたりと、日本と比べて気密性が高くない造りになっています。
また、これは賃貸物件に多いのですが、洗濯機は共同使用が一般的で、物干し場がないとか、あっても屋根のない小さなものだったりする事も珍しくありません。
小さくても自分の物干し場があればまだ良いのですが、いちばん厄介なのが、他の台湾の人たちと同じ物干し場を使わなければいけない場合です。
台湾の人たちの中には、洗濯は洗ったら1週間でも2週間でも干しっぱなしにしておいて、着る物だけそこから外して着る、という人たちがいます。
私が住んでいたのは台湾北部でしたので、その他の地域から来ている学生や社会人なりたての人たちの中には、洗濯を干したまま一週間も帰省して帰って来ないとか、毎週末実家に帰るので、洗濯物は干しっぱなしという事が、よくありました。
こまめに洗濯してくれればまだ良いですが、何週間分も溜めておいた洗濯物を洗って、一気に物干し場に干して、そしてそのまま実家に帰られてしまう事が多いのです。
そうなると私の洗濯物を干すスペースが十分に確保できないですし、スペースを確保して干したとしても、何週間も前の雨ざらしで生乾きになった服が放置されている傍に掛ける事になるので、その臭いが移ってしまって、結局また洗い直すという事を何度も経験して頭を抱えていました。
台北の雨にも負けない洗濯物の干し方
台湾の家で掃除機を見た事はありませんが、どこへ行っても扇風機だけは置いてあります。
公共施設のお手洗いには、一年中扇風機か送風機が置いてあるのも、珍しくありません。
冬場は寒いので嫌だと思っていましたが、あれで換気していたのだと後になって気づきました。
台湾北部の実家を出て一人暮らししているお友達も、雨続きの日は、扇風機で洗濯を乾かすと言っていました。
扇風機で乾かすと簡単に言っても、湿度が高いと簡単には乾きません。
いろいろ試してみましたが、扇風機で乾かすにもコツがある事がわかりました。
出来れば湿気の少ないお天気の良い日にお洗濯を干すのがいちばん良いですが、近くにコインランドリーがない人や、何日も雨続きで困っている人は次の方法を試してみてください。
1.洗濯物同士は、なるべく間をあけて吊るす。
洗濯ハンガーを使う時は、間隔を開けて洗濯物を吊るすと尚良いでしょう。
2.扇風機の高さと角度が大事
そして、すべての洗濯物と洗濯物の間を風が通り抜けるように、高さと角度を合わせます。
上手く行くと、洗濯物いち枚一枚が風にふわふわと舞うようになります。
3.風速は最強で短時間勝負
ゆっくりじっくり乾かすと嫌な臭いが発生してしまうので、風速の切り替えがある場合、強風にするのが良いでしょう。
コットン100%の衣類や厚手のものでもない限り、ここまでの過程でかなり乾いてしまいます。
それでも湿度の高い日は、洗濯物を手で触るとまだ湿った感覚が残っている事もあるので、その場合はしっかり乾くまで風速を変えず風を送り続けましょう。
湿気がなければすぐに乾いてしまいますが、湿度70%以上もある日には簡単には乾いてくれないので、一日かけて乾かすぐらいのつもりでやると良いでしょう。
私が台湾で借りていた部屋では、浴室のドアの前に台湾にもあるニトリで買って来た突っ張り棒を取り付けて、洗濯物を吊るし、そこに扇風機を回して乾かしました。
この方法はもちろん台湾だけでなく日本でも使えます。
先日東京の実家でも実際にこの方法で洗濯を乾かしました。
ぜひお試しくださいね。
カビが生えやすい台北の除湿対策
この扇風機を使う方法ですが、扇風機を一日中つけっぱなしにしていると、体感温度が変わって来て、上着を着ないと寒く感じる事もあります。
冬に行う場合は、寒くなってきたら着る上着を予め準備しておくなど、体調管理には十分に注意して行ってくださいね。
また、この方法を利用して、使用後の浴室に扇風機を置いて一晩中回しておくと、翌朝には湿気もなくなり、カラッとしています。
私はこの方法で、台湾生活の後半数年をカビ知らずで過ごしました。
湿気の話をすると台湾北部の人からは除湿機の購入を勧められますが、実際に使っているのを見ると、数時間で1.5リットルのペットボトル数本分の水が溜まっていました。
その水が入った重たいタンクを流し場まで運んで行って捨てる作業が大変そうでしたし、そのうち帰国する事が決まっている場合には、高い除湿機を買うよりも扇風機を駆使する事をおすすめします。
大家さんによっては部屋の備品として扇風機を置いてくれている事もありますし、ない場合でも手ごろな価格の扇風機を購入する事が出来ます。
ちなみに台湾で扇風機は電風扇 diàn fēng shàn といい、フランス系大型スーパーや家電量販店に行くと、1,000元しないものも買えたりします。
サーキュレーターは電気代節約には良いですが、
洗濯物も乾かしたい、浴室の換気もしたい、扇風機として涼を取りたいという場合には、高さ100㎝以上の首振りタイプをおすすめします。
この方法は台北だけでなく、日本でも応用できますので、ぜひ活用してみてくださいね。