コロナ禍台湾から日本への帰国<前編>出国までの道程

空港と飛行機

 

今回は、2021に混乱のなか帰国準備を開始し、自主隔離生活に突入した前後で書きかけとなっていた記事を推敲したものを公開します。

 

みなさん、こんにちはマリアです。

2021年夏、当初の目標通り4年で大学を卒業した私は、日本に一時帰国しています。

 

2020年から2021年の春にかけ、台湾滞在中のたくさんの(日本人を含む)外国人のお友達が帰国して行きました。その中には突然の帰国となり、別れを惜しむ間もなかった仲良しの友人たちもいました。

 

2021年の8月、台湾も日本も先が読めない、不安な空気に包まれています。

そんな2021年8月に体験したことを、ここにまとめます。

 

 

コロナ禍に台湾で就職するか日本で就職するか問題

 

コロナ対策優等生国台湾ですが、5月には政府も市中感染を認め、ワクチンも不足し、みんな不安な気持ちでいます。台湾から見ると日本の感染者数は依然多く、私が帰国すると話すと、なぜこの時期に日本に帰るのかと尋ねる人が少なくありません。

 

私には台湾の正規留学生としての居留資格があるので、大学卒業後の一年間は台湾で職探しする機会が与えられています。

 

そういった意味では、先行き不透明なこの時期に急いで日本に帰る理由もないのですが、台湾から一度出国したら再入国できるかわからない状況が一年以上続いた経験から、もし仮にいま台湾で就職した場合、また同じ状況が何年も続くのではないかと考え、私は一日もはやく帰国する事にしました。

 

出国前準備で大変だったこと

 

そう考えたら今度は台湾からの出国と日本での入国を考慮し、計画を立てつつ準備を進めなければなりません。

 

以前なら、旅行でも留学でも、ビザやお金の問題を真っ先に考えたと思いますが、コロナが世界で大流行したせいで、それに加えて個人の身体的コンディション、すなわちウイルスを保有しているかどうかや、保有していると仮定しての行動をとらなければいけなくなり、世界を行き来するのが以前より簡単ではなくなりました。

 

日本の自主隔離期間の定義

 

日本の自主隔離期間ですが、日本到着日は計算に入れません。

 

日本 到着(入国)の翌日を1日目として起算して14日間とカウントします。

 

例えば、8月1日の飛行機で成田空港に到着したとしましょう。

この場合、8月2日を1日目とカウントし、14日間は公共交通機関の利用も他者との接触も控えますという誓約書を提出する事となります。

 

書類上、その提出先は厚生労働大臣 法務大臣となっています。

 

ぜんぶオリンピックとパラリンピックのせい?

 

空港に着いてから後は公共交通機関は使えないのでホテルに泊まるにしても、実家に戻るにしても、移動手段を考えなければいけませんでした。

 

ホテル空いてない問題

 

帰国者でも空港のPCR検査が陰性であればホテルまでリムジンバスで移動できる場合があります。

私は実家近くにホテルがあり、そこまでリムジンバスが出ているので、そこに泊まろうと計画していました。

 

どこのホテルも空室があってホッとしていたのですが、帰国日から自主隔離期間にかけての連泊で検索すると、今度は三ツ星以上のホテルはどこも表示されなくなりました。

 

どこのホテル予約サイトから検索をかけてもダメで、今度はホテルの公式サイトで検索しますが同じ結果。

 

何かあるのかとカレンダーを確認すると、どうやらオリンピック開催数日前とパラリンピックが終わるまでの期間、都内のホテルが一斉に予約済みである事を思わせる結果となりました。

 

空いていたのはオリンピック会場から離れている地域や、一部の空港周辺ホテルぐらいでした。

 

オリパラとは関係ないけど飛行機の便数が少ない

 

コロナの影響で自由に往来出来ませんので各航空会社も便数を減らしています。

例えば大手航空会社二社が台北から東京まで運航しているのはA社が週2回の数便で、B社が週3回の数便しかありません。

 

PCR検査

 

自主隔離先と飛行機のだいたいの目途がついたら、PCR検査も必要になって来ます。

PCR検査は、現地出国前と日本入国前の計2回必要になります。

 

これはどちらも日本政府が新型コロナウイルス感染症に関する水際対策として、日本入国者に対して求めているものです。

 

日本のコロナ対策は緩い緩いと国内外からいわれていますが、この後また日本らしい几帳面さを感じる事になりました。

日本が定める72時間前PCR検査の定義が以外と厳しかった

 

今回の帰国では月曜日のフライトを選びました。

 

今年の2月に帰国したお友達は金曜にPCR検査を受けて、その日の夕方結果を受け取り、翌日の飛行機に乗りました。

 

他の外国人のお友達もそのお友達と近いスケジュールで何人も帰国して行ったので、私も土日のどこかに病院で検査してもらえるだろうと、そう思っていたのですが、念には念のためどの病院で検査してもらえるかを数週間前からネットで情報収集しはじめました。

 

台湾でPCR検査の証明を出してくれる病院は大きな病院に限られていて、知り合いの何人かが同じ大きな病院に行っていました。

 

私もそこに行こうと公式サイトを見ましたが、どこにも当日検査して当日結果を受け取れるとは書いていません。

 

友人達が帰国して行った頃からたった数カ月の間に、台湾の状況は驚くほど変わっていて、市中感染を受けた地域ではPCR検査に長蛇の列ができる事態にまで発展していました。

 

その事もあってか、検査してくれる病院や、検査条件が変更になっていて、途中で帰国を諦めようかと思った程でした。

 

そしてPCR検査の予約で困難を極めたのが、この72時間の定義です。

 

日本政府のサイトを見ると一応説明はあるのですが、土日を挟んだ時の考え方がはっきりと書いていないため、よくわかりませんでした。

 

こうなったら検査を実施している台湾の大病院の方がもしかしたら知っているのではないかと思い、土曜日に検査してくれる病院に電話をして、聞いてみる事にしました。

 

すると病院側は、72時間であれば、土曜日の午前に検査を行って、その日の午後に結果を渡せるから、72時間=3日という定義で良いのでは?と答えてくれました。

 

ですが私はものすごく心配性なのです。

飛行機のチケットを取っていて、住まいも引き払うと決め、荷物の整理もしていたので、土日に返事が来るかひとつの賭けではありましたが、搭乗を予定していた某大手航空会社の台湾事務所に、この72時間の定義について念の為メールで問い合わせしました。

 

PCR検査当日

月曜日のフライトがあるという事は、乗る人がいるのだろうし、日曜日にPCR検査をやっている病院も見つからないので、3日前という定義で検査を受ければ飛行機には乗れるのでは?と、不安な気持ちを消すため、自分に言い聞かせながら、土曜日の朝、私は予約した病院へと向かいました。

 

日本出国のその時までに万が一感染してしまったら、すべての計画は終わってしまい、最悪の場合、台湾での隔離生活となってしまいます。

 

それを恐れ、自主隔離に近い生活をしていましたから、病院への検査の時は、マスクの他にフェイスガードを付けて行きました。

 

日本ではそこまでしている人はあまりいませんが、台湾は日本人ほど周りの目を気にする感覚はない文化ですし、ウイルスを怖がって同じようにしている人もごく普通にいましたので、過剰反応だとはあまり思いませんでした。

 

病院に着いてからは保険証や身分証と交換に番号札を受け取り、検査の順番を待ちます。

 

私の他にも感染の疑いがあるのか、それとも出国の為かわかりませんが、家族5人ぐらいでPCR検査を受けに来ている人たちもいました。

 

順番はすぐには来ない様でしたので、待っている間、日本政府に提出する為の陰性証明用フォーマットをコンビニにプリントアウトしに行き、戻って来てからも、なるべく他の人と距離を取るようにしていました。

 

この記事は後編へとつづきます。

 

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