学生の定義と学生は何歳まで問題

台湾コラム

 

みなさん、こんにちはマリアです。

突然ですが、あなたは、いま何歳ですか?

 

学生と聞いてどんな事をイメージしますか?

 

今日の記事では日本、カナダ、台湾の学生のイメージについて書いて行きます。

また後編では学生割引について書きます。

 

それでは、さっそく行きましょう~!!

 

学生の定義

ところで学生の定義ってなんでしょうか?

広辞苑を引いてみたのですが、いま私たちが呼んでいるガクセイという言葉はそこになく、代わりに、学生と書いてガクショウと読む言葉が見つかりました。

 

それでは、広辞苑ではガクショウの意味を何と説明しているのでしょうか。

 

がく‐しょう【学生】‥シヤウ

①平安時代、大学寮・国学などで官吏となるための学問をする者。
②諸大寺で仏典を修学する者。学侶。
③学識。学問。今昔物語集20「―も人に勝れ、説経も上手なり」

『広辞苑』より

 

私たちが日ごろ何気なく使っている「学生」とは、かなりかけ離れたイメージがありますね。

 

また学生[ガクショウ]とは、そもそも国やお寺に仕える学識も学問もある人の事を指す言葉だったようです。

 

この意味を見たとき、学生[ガクショウ]の語源は、漢民族の使う学生 xué sheng から来ているのではないかと思いました。

 

じっさいに平安時代の宮中の人たちは漢民族の文化をおしゃれだと思っていて、たくさんの物を日本の文化に融合させていました。

 

漢民族の学生の定義

ここでは、漢民族が使う「学生」の言葉について見ていきましょう。

 

中国語の辞書によれば、学生というのは学ぶ人の事を指していました。

 

それではいったいどんな使われ方をして来たのでしょうか?

歴史的小説や随筆を読んでいると、その国に仕えた著名人の話がたくさん出てきます。

 

国や王に仕え、貢献する人たちは厳しい科挙試験(かきょしけん)に合格してはじめて国に登用されていたわけですが、その歴史は隋(ずい)の時代にまで遡ります。

 

公務員試験に合格しても「学生」な理由

 

この科挙試験を目指して学んでいた人たちの事を学生と呼んでいた訳ですが、科挙試験に合格してからも上下関係は続くようで、歴史時代劇などを見ていると、師弟関係にあったり、地位が上の官僚と話すときに、日本語でいう「私」を表す言葉として「学生」という言葉を意図的に用いている場面がよく出てきます。

 

孔子の弟子は生涯「学生」

 

さらに日本でも有名な孔子は、何千人もの弟子を持っていたと言われています。その弟子たちが孔子と話した時のエピソードが沢山残っていますが、その時も弟子たちが自分の事を「学生」と言っている場面がたくさん出てきます。

 

科挙試験と学生の関係

 

国に登用される試験と聞くと、日本の国家公務員試験を想像します。

 

漢民族の国家試験であった科挙試験でいちばん難しいのは進士科でした。

 

三十老明經,五十少進士

 

この科挙試験、30歳でようやくその前段階の明経科に合格できたとしても、その上の進士科には50歳を過ぎてもなかなか合格出来ない程難しいという諺、「三十老明經,五十少進士。」があるぐらいです。

 

科挙試験は幼いころからその道の勉強をし、その道に精通していた者がようやく合格できる程の難しさを極めていました。

 

詹義(せんぎ)

 

科挙試験のための教師をしていた詹義(せんぎ)と言う人物がいました。

 

彼は若いころから非常に優秀でしたが、家庭は勉強だけしていれば良いような状況になく、家族を養い食べていくために先生をしていました。

 

彼は自身が優秀なだけでなく、科挙試験の合格者を何名も輩出する有名な先生でもありました。しかし彼自身が試験に合格したのはかなり年をとってからのことでした。

 

彼は登用後、何歳かと尋ねられたので、「50年前は23歳でしたと答えた」という有名な話があります。

そう、彼は73歳になってようやく進士科に合格し政府に登用されたのでした。

 

学生は何歳まで?

 

ここまで学生[ガクショウ]と、中国語の学生 xué sheng の話などをして来ましたが、それでは学生って、いったい何歳の事を指すのかなと疑問に思います。

 

日本は小学一年から中学三年までが義務教育ですので、広い範囲で言えばその年代を学生と呼んでも間違いではなさそうです。

 

まだ現役で大学に入って、修士まで卒業すると24歳ぐらいなので、その年代までを学生と呼んでも間違いなさそうです。

 

では、それ以上の年齢で大学や大学院に入ったらもう学生とは呼ばないのでしょうか?

 

だってね、日本の大手携帯会社の学割ってだいたい25歳以下ですよ。

それに政府や企業、非営利活動法人の奨学金だって募集要項見ていると25歳までとか、年齢制限がついています。

 

社会人になってから大学に進学するカナダ

 

私が社会人生活を中断して大学生になろうと思ったのは、大好きなあるカナダ人俳優のインタビュー記事がきっかけでした。

 

彼は子供時代からモデルをやっていて、高校を卒業後はハリウッドに進出し役者に転向しました。ドラマが大ヒットして有名になりましたが、今後について聞かれたとき、「学生時代は数学が得意だったから、もしかしたら大学に進学して数学を学んで教師の道に進むかもしれない」と語っていました。

 

カナダの事情を調べてみると、経済的事情で大学進学を諦めた人でも、先に一度社会に出て、経済的問題を解決したら、それから大学に入る事があるとわかりました。

 

大学入学をゴールと捉えている日本の傾向とずいぶん違うと思いました。

 

台湾の大学生

いろいろな国の事情を見た時に、アジア全体では学歴主義が通用していて、現役で入学する事に価値があると考えられている傾向にあると思います。

 

台湾も例外ではなく、現役でいかに有名な大学に入るかが将来の就職にも関係しているように感じます。

 

そんな現役入学が一般的な所に、私ひとり国籍も年齢も違う学生がいると、10代のクラスメイト達は、最初のうちはどう接していいかわからず、かなり戸惑うようです。

 

ですが例外もあります。

台湾では、すべての学部ではないものの、昼間すでに仕事を持ってバリバリ働いている人の為に夜間部を設けている大学も少なくありません。

 

私が以前台湾華語(中国語)を学んでいた中国文化大学もそうですし、いま在籍している輔仁大学も夜間部を併設しています。

 

夜間部には銀行員、看護師、政府機関の職員など、数え切れないぐらい、いろいろな職業の人たちが更なるキャリアアップの為に夜間部に通い学んでいます。

 

職を持たない18歳の現役入学の子も、もちろんいますが、30代以上の学生も大勢います。

 

こう考えると、日本での学生の定義って少し偏り過ぎな気がします。

そのあたり、詳しくはまた後半で書いて行きます。

 

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