まだまだ暑い日が続いていますね。
こんにちは、マリアです。
日本も電気代は高いと思いますが、台湾も水道光熱費の中でいちばん高いのが電気代です。
今は電気代が家賃に含まれている所に住んでいるので良いのですが、外で一人暮らしをしている時は電気代の請求が怖くて、大学内の図書館や台湾の公立図書館でよく過ごしたものです。
このお話はまだ一人暮らしをしていた時のものです。
それは大学のキャンパス内で起こった
私は新北市にある輔仁大学に通っています。
この大学のキャンパスの広さは、私の体感ではありますが、台湾北部では、国立台湾大学に次ぐ大きさだと思います。
輔仁大学は台湾大学にこそ負けますが、正門から後門まで直線で歩いて行くだけで、15分程かかります。
台湾の新学期は9月から始まります。
それは私が大学に入学した9月に起きた事件でした。
台湾の9月はまだ真夏の暑さです。秋らしさや、森山直太朗氏のうた「夏の終わり」を想像させるようなものは1つもありません。
太陽は日本で見るのとは大きさがまるで違っていて、大きくて、赤々としていて、その位置も朝方だというのに、既に頭の真上に来ています。
おまけに台湾北部は一年を通してものすごく湿気が多いという特徴があります。
そんな台湾北部にある、広大なキャンパスを持つ我が校の敷地にも、樹木は植えられてはいるものの、その大部分はアスファルトで覆われているので、太陽の照り返しがものすごく強いのです。
この南国台湾で生まれ育った台湾人たちは既に慣れてしまっているのか、驚くことに、エアコンも扇風機も回っていない、ただ窓を開けただけの満員の教室でも、ノートをうちわ代わりにあおぎながら授業を受ける事ができます。
でも、私には無理です。
どんな状況でそれは起こったか
それは8時から体育の授業があった日に起こりました。
その日は、駅から遠い後門の側にある建物の地下室でヨガの授業がありました。
2時間授業を受け、さらに後門に近い教室で2時間授業を受けた後、ひどい頭痛と吐き気がして、歩けなくなりました。
大学一年時は授業が午前から午後までびっしりと授業があったのですが、これはもう午後の授業の出席無理だとハッキリとわかりました。
そこへたまたま通りかかったクラスメイトの2人に「先生に気分が悪くて歩けないから欠席したいと伝えてもらえないかな?」とお願いしたのですが、お互いまだ知り合ったばかりで顔と名前ぐらいしかわからないせいか、そのうちの1人は、私に向かって「授業休むなら欠席届出さないとダメだと思うよ」とだけ言って、結局2人ともその場を去っていきました。
私は台湾に来てから、いつも台湾の人達に助けてもらって、生きて来ました。
みんなとっても親切で優しいです。
でも、具合が悪い時だけは別です。
日本人と違って、察するという文化がないせいでしょうか。
それとも、地べたでも、その辺りの階段でも、テーブルでも、どこでも座れる文化だからでしょうか。
これは台湾に5年以上住んでいて、何度も経験しています。
お腹をおさえてうずくまっていた所に人が通りかかっても、誰ひとりとして声なんてかけてくれません。
血でも流していれば別なのでしょうか。目に見えてわかる外傷がなければ、はたまた、誰の目から見ても100パーセント異常な状況でなければ気づかないのでしょうか、ただうずくまっているだけでは、誰も話しかけてきません。
もしかしたら、道路に思いっきり横になって、倒れたフリでもしていれば良かったのかもしれません。
道路も場所を考えて横にならないと、車やバイクが縦横無尽に来ますから、それはそれで注意が必要なのですが、、、。
とにかく、お腹や頭を押さえてうずくまって、顔色悪そうにしていた所で、誰も声なんか、かけてきません。
台湾人と日本人、察する文化の違い
私が東京でOLをしていた頃は、満員電車で気分が悪くなって、乗り換えのための駅で降りて少し休んでいるだけで、見知らぬ人が「顔色悪いですけど、大丈夫ですか?駅員さん呼んで来ますね!」と助けて下さった経験が、何度もありました。
台湾人も日本人も口々に「日本人は冷たいけど、台湾人は人情味がある」と言います。
でも、私は、それは時と場合によると思っています。
恐らく、日本以外の外国では、具合が悪い時は、自分から「具合悪いから、助けて!」などと、具体的にどうして欲しいかを言わないとダメなんだと思います。
私の経験上、こんな時に多くを語らなくても、相手の気持ちを察してくれて、声をかけてくれたり、自分から積極的に「何か必要なものある?」などと聞いてくれるのは、やっぱり日本人の方なんです。
クラスメイトはi世代らしい
自分たちの学部の青年心理学の講義で学んだのですが、私のクラスメイトはちょうどi世代といって、生まれた時からネットがあり、更に人とのコミュニケーションが希薄な傾向がある世代だという話でした。
台湾の年配の方々からも「最近の若い子は人のことなんて気にしてないから、私たちとは違うのよ」という話を耳にする事があります。
この2人もそれが理由なのかはわかりませんが、私が「気分が悪くて歩けない」というキーワードを出しただけでは、「だいじょうぶ?」のひとこともなかった事に、クラスメイトとしてかなりガッカリしましたし、これから4年間、机を並べて共に学ぶ仲間意識が生まれるのか、とても不安になりました。
これは本当に台湾ではじめて経験した事で、今まで台湾で知り合った他のどの台湾人とも違う印象を私に与えました。
どうやって家まで辿り着いたのか
その後私がどうしたかというと、医務室に行きました。
入学前、学部の先輩たちが開いてくれた歓迎会で、自分がいまいる場所の近くに医務室がある事を聞いていたのですが、ちょうどそれを思い出したので、なんとか頑張って、医学部内にある医務室まで行きました。
そこで、頭痛がひどいので休ませて欲しいというと、同じ建物の奥に併設の診療所にかかるように勧められたのですが、お財布の中を確認すると数百元しかなかったので、かかりませんでした。
医務室にいる人には、とにかく休めば治るはずだからと告げ、ベッドに横にならせてもらいました。(後で知ったのですが、学生はたったの50元で治療が受けられたのでした。)
午後の間ずっとベッドで横になっていましたが、16時になったころ医務室を閉めなければならないので、まだ具合が悪いようなら診療所に行くようにと言われました。
その時の私は、寝不足か、軽い風邪か何かだと思っていたので、自宅へ帰る方を選びました。
でも、気分が悪くて、気分が悪くて、ふつうでも15分歩くのはけっこう疲れるのに、家までなかなか辿り着けません。
途中、頭痛と吐き気でうずくまっていたら、ちょうどそこが外国語学部の事務室で、たまたま通りかかった職員さんが中のソファに横にならせてくれました。
ですが、ここも、オフィスアワーが16:30なので、30分も休むことは出来ませんでした。
それでも、家までの距離は近くなっていたので、気力を振り絞って、休みながらも家に辿り着く事が出来ました。
今であれば、大学の後門側に大学付属病院もありますし、そこまでは正門からシャトルバスが出ているので、病院にかかるのもかなり楽なのですが、私たちが入学した時点では、まだ大学病院は開業していなくて、その数週間後の2017年9月29日にようやく開業したのでした。
進行する熱中症の症状
私の部屋は、入居前に日本人の友人が来てくれて、エアコンの中まで掃除してくれたので、エアコンの効きがものすごく良かったのですが、部屋でベッドの上に横になっていると、外にいた時とはうってかわって、今度は全身から大量の汗をかくようになりました。
そうすると身体がどんどんだるくなって行きます。
何もできないまま、エアコンの効いた室内にいるので、汗もそのうち引くだろうと、その事だけをたよりに、じっと耐えました。ですが、汗は一向に引く気配がありませんでした。
そのうち寒気もしてきて、日中はずっと胃がむかむかするだけだったのが、実際に嘔吐が何度かくようになり、身体も少し震えて来ました。
私の家の上階には大家さん夫婦が住んでいて、外には管理人さんも常駐している所に住んでいましたが、ここまで来ると、自分の体調を誰かに説明する気力も残っていませんでした。
その日は金曜日の夜で、このまま家にひとりでいたら水分不足から脱水症状になるとわかったので、119番に電話する事にしました。
でもちょっと待ってください。救急車が来たら、近所の人がみんな集まってきて、恥ずかしい思いをするのも、嫌ですよね。ですから私は電話した時に、サイレンを鳴らさずに来て下さいとお願いしました。
救急車は本当にサイレンを鳴らさず、静かにやって来て、なんとかゆっくりではありますが、担架ところまで歩く事も出来ました。
病院でお医者様から見てもらうまで、この頭痛はずっと風邪か何かだと思っていたのですが、予想外の熱中症との事でした。
熱中症で、ここまでひどくなるんですね。
点滴を受け横になっていましたが、嘔吐が続いていました。
しばらく横になっていましたが、入院になったら費用はいくらぐらいになるのだろうかとか、具合が悪いながらも心配していると、看護師さんがきて、これが終わったら薬をもらって、それから自宅に帰って良いとの事でした。
でも私はまだゲロゲロしています。お腹に力が入らないので、歩けません。
看護士さんはそのうち「この状態で一人で家に帰すわけには行かないので、誰かお友達を電話で呼んで、一緒に家に帰ってください」と言ってきました。いっそのこと入院した方が楽だったかもしれません。
電話をしようにも嘔吐していて、話す元気もありません。
点滴がついてない方の手で、バッグからなんとかスマホを取り出し、お部屋のお掃除に来てくれた、語学学校時代からのお友達に電話を架けてから、看護師さんに「(気持ち悪くて)話せないから代わりに喋って…」と、スマホを渡すのが精一杯でした。
そのお友達は、大学進学のために電車で1時間もかかる所に引っ越した私の所に、なんとタクシーで駆けつけてくれました。
今でもこのお友達には、感謝しています。
海外で熱中症になって気づいたこと
私はこの時、頭痛や吐き気を甘くみて、大学の診療所にかかる事すらしませんでした。
結果、体調が更に悪化し、夜になって一人でいる所で救急車を呼ぶ事になりました。
後でネットで検索したら、熱中症には3段階あって、私はレベル2まで進んでいたのだと知りました。
あのまま放っておいたらレベル3になって、救急車を呼ぶ事も出来なかったかも知れないと思ったら、とっても怖くなりました。
この事から、自分の大切な家族と友人達に心配をかけない為にも、まずは自分自身の健康管理をしっかりとする事が大切だと学びました。
バイトや大学の授業に万全の体調で備える為にも、少しでもおかしいと思ったら、早めにスポーツ飲料を飲み、涼しい場所で大人しくする。
暑い時は無理して部屋から出ず、冷房の効いた部屋で一日ボーっと過ごしたとしても良い。
それでも体調が優れない時は、すぐに病院へ行って早めに治す。
この事を心掛け、暑い台湾の夏を過ごしています。
最後に、スポーツ庁が出している「熱中症を予防しよう―知って防ごう熱中症―」の動画を載せます。
ブログ読者のみなさんも、「まさか自分が」という考えはせず、熱中症に気を付けて楽しい毎日をお過ごしくださいね。