すっかりご無沙汰しております、マリアです。
私はいま大学三年生に無事進級できたのですが、今年から大学付属幼稚園での教育実習がはじまりました。
そして再来週あたりから中間テストというのが多いのですが、一部科目では来週もう中間テストが行われます。
一科目で、教育実習前の座学に、教案といって実習で何を教えるかを毎週作成し、実施し、その記録を書き、また別にレポートも提出し、中間と期末テストもあるのです。
こんな感じの授業が何科目か重なっています。三年生に入って一般教養科目はだんだん少なくなっていくので、どんどん専門的な教育学や心理学を学んで行きます。
大学に入って辛いのは一年生の時
ほんとうに忙しいのですが、これまでの忙しさと今年は少し違います。
大学生活にも少しずつ慣れて来て、何をどうすれば良いのか少しずつわかって来たからだと思います。
大学に入っていちばん辛いのは実は一年生の時だと思います。
台湾で先に中国語を習った人は特に感じると思います。
同じ外国人同士なかよく机並べて、わきあいあいと中国語を学んでいた頃と比べると、なんと孤独で辛いことかと。
大学に入ったら新しいお友達たくさんできるわよ!と、台湾の人たちに言われていたのですが、実際はそれどころではありませんでした。
台湾の学校は9月にはじまるのですが、9月とは言ってもまだ30度ぐらいまで気温があがるので、暑くて仕方ないのです。
それなのに慣れている台湾人はエアコンも扇風機もついてない教室で窓だけ開けたまま授業したりします。
そんな風ですから、重度の熱中症にかかった事がありました。
まだ知り合いもあまりいなくて、教室の移動中に通りかかったクラスメイトに、体調が悪いので先生に休むって言っといてもらえない?と頼みましたが「休みの届けがないと欠席扱いだよ」という事務的な反応しか返って来ませんでした。
その時既につらかったのですが、歩くのもままならず。
話しが長くなるのでまた別の機会に書きますが、その晩私は自分で救急車を呼ぶ事態にまでなりました。
台湾人の課題の進め方
社会人経験のある私からすると、高校を卒業したばかりの彼女たちの宿題の進め方は非常に効率が悪いものでした。
私たちの学部は小さなグループを作って、課題をパワポやワードにまとめて発表するものが非常に多いのですが、先生が提出日を言っているのに、ぜんぜん打ち合わせも作業もはじめようとしない。時間だけがどんどん過ぎて行きました。
そのうち外国人と一緒に組むのを面倒に思ったのか、全部やっておくからあなたは当日発表だけすればいいからという子たちや、台湾人は3人で1ページまとめる所を私ひとりで2ページまとめてくるように丸投げしてくる子など、ひどいものでした。
一年生の中間テストで留年予告をされる
クラスメイトの協力もうまく得られないなか、いよいよ中間テストが迫ってきました。
自分では授業の内容はわかっているつもりで、テストも自信満々だったのですが、返ってきた点数はとてもひどいものでした。
その教授は若いころに台湾の教育番組に出ていた、日本で無理やり例えるならば尾木ママほどの知名度がある先生で、大学院生も学部一年生に混じってその教授の授業を受けにくるような内容です。
アメリカで心理学の博士まで取得した女の先生で、生徒とやりとりする授業形式をとります。そしてテストの時は毎回、理論を書かせます。
テキストは全文英語の分厚いものを使うのですが、生徒の中には英語が苦手な子たちがいるので先生が配る資料も使う言葉も中国語。その理論も当然中国語で書かなければならないのです。
ですが、母語が日本語の私が台湾人の院生でも難しいというその理論を中国語を使って書く事が出来るでしょうか。
頭の中では理解していたつもりでも、理論として書き出す事が出来ず、そのテストは失敗に終わりました。
後日、教授から呼びだされ「かわいそうだけど、このままだと単位はあげられないわよ。留年を覚悟しないといけないわね。」
私はショックで仕方ありませんでした。
大学では導師時間という面談の時間がある
大学では面談の時間があって、仲良しの友達と一緒でも個別でも構いません。
そういった担任の先生と話をする機会が設けられています。
その時に学内のこと、私生活のこと、気になる事は何でも話せます。
私たちの担任はアメリカ帰りの若い先生なのですが、成績の事を話すと、ものすごくあっけらかんとして、こう言ってくれました。
「成績悪かったの?でも、期末で挽回すれば大丈夫じゃない?私は特に何も聞いてないけど。
あの先生の授業は他の台湾人クラスメイトも、いっぱい赤点取ってるわよ。
みんなこの間まで高校で勉強してて、それでいきなり主体的に学ばなきゃいけない大学生活に入ったから、みんなもどんな風にテスト勉強したらいいかわかってないのよ。
大丈夫よ。がんばって~!!」
その後も教授が話す専門用語がなんだかチンプンカンプンながらも、やる気満々で授業には出ていたのですが、やっぱりよくわからない事があるので授業の終わり際に近くに座っていた人に声をかけて聞きました。
彼女は中国は福建省で大学を卒業してから来た大学院生で、日本語も勉強した事があるといって、すぐに私に興味をもってくれました。
それから、一人で台湾に来て勉強するのは大変だろうし、私も人に教える事で良い復習になるから、良かったらお昼に研究室に来ない?と誘ってくれて、それから毎週、その教授の授業が終わると研究室で教えてもらえる事になりました。
かなり内容はわかるようになりましたが、それでもピアジェの理論などをはじめ、いろいろと本を読んだだけではわからない難しい話が出てきます。
大学院生3人が私に教えてくれる事を知った教授が私を教授室に招き入れてくれて、院生に向かって、いま授業でみんなが使っている本の日本語翻訳版、なければ中国語翻訳版を探して注文するように依頼してくださいました。
台湾人の院生の一人が中国語の翻訳版を見つけたのですが、「いやー、これいい!!わたし欲しいわ。この本高いし、マリアが必要な所あれば写真撮ったらいいんじゃない?買う?どうする?」と聞いてきたので、結局買わずに、2学期も彼女のテキストを写真に撮らせてもらって無事終了する事が出来ました。
わからない所があったら、いつでも聞いてねがいちばん困る
台湾人がよく声をかけてくれる言葉に、「わからない所があったら、いつでも聞いてね」というものがあります。
でも、この質問いちばん困るんです。本人も何がわからなくて、何がわかるのか、うまく理解できていない。
その日の授業の内容をその日のうちに質問していいよといわれても、まず無理なんです。
家に帰って復習して、その翌週ぐらいになってからでないと。
クラスメイトが親切に先回りして教えてくれることもあります。
でも、自分が理解できてない所を教えてもらっても、さらに頭の中が空回りするだけで、実際理解できてないんですよね。
なので「ありがとう。いっかい自分でやってみるね。それでわからなかったら、申し訳ないのだけど教えてもらえる?」とお願いする事にしています。
大学一年生が正念場
大学一年生はとにかく手探りの時期です。
しかも台湾の大学は一クラスの人数が多い。
誰がどんな性格なのか。
誰が勉強が出来るのか。
誰が段取りが上手いのか。
誰がすぐOK!って言ってくれるのか。
誰がどの方面の情報をいちばん持っているのか。
彼、彼女たちも手探りの状態なので、その中に我々外国人が入っていく事は実際至難の業だと思います。
それで、大学二年生に上がる前には、いくつかの科目で赤点を取って、途方に暮れて休学し語学学校に入って考え直す時間を作る子や、挫折して帰国する子。留年を繰り返す子。ほんとうにいろいろです。
大学一年生がいちばんの正念場です。ここを乗り越えられるかどうかで、今後が大きく変わって来ます。
台湾の大学での勉強の仕方
これはあくまでも私の場合ですが、私は理屈を理解できないと先に進めない少々面倒なタイプです。
1足す1は2でしょ?なんでこんなのもわかんないの?と言われるタイプでしょう。
なぜ1足す1が2になるのか、わかるまで、とことん検証しないと2に進みたくないのです。
ですから先生が下さった中国語や英語のテキストをまず徹底的に読みます。
そしてわからない所は、いまはグーグル先生があるので、とことん調べまくります。
時には人様の論文まで読み漁ります。でも、なるべくきちんとした大学の教授が書いたような論文を参考にします。
そのうえで、学部の先生が出した例と少しでも違いがあれば、先生にアポを取ったうえで直接聞きます。私が見た文献ではこう書いてありましたけど、先生の理論とは違うのでしょうか?ここはテストに出るとするとどのように答えたら良いでしょうか?などと。
言葉の選び方が悪くて、テストの答えなんて教えられる訳がないでしょと言われた事もあります。そんな時はもう一度懲りずに聞きます。
先生、わたしここまでやって、ここまでわかってきているんです。
こう書いたら先生にわかっていただけますか?この回答は点数をいただける回答でしょうか?と聞きます。
すると、この書き方だと意味がわからないから減点。とか、なんとか言われます。
私の場合、大学での学びはすべて、ひととの戦いではなく、自分との闘いです。
ですからより良い点数を取ろうなどと考えてはいません。
とにかく赤点を取らないこと。
そして自分のベストをつくすこと。
点数がそれほど良くなくても、テストが終わったら自分で自分を褒めてあげます。
ひとりで台湾に来て、中国語でこれだけ点数もらえるんだから、これ日本語でやったらぜったいすごいよ!!と。
実際すべての科目において私はいちばん下の成績ではありません。
なかには台湾人よりも上の点数の科目があります。
台湾の大学でオールパスするためのまとめ
授業には遅刻しない
事情があって休んだり、遅刻したら先生に必ず報告し、書類を速やかに提出する
やる気がある事を態度で示す
わからない所はどんな言語の資料を使ってでもかならず探し出す(資料を探し出すのも大学生には必要なスキルだと思います)
わからない事はやっぱり人に聞く
わからい事は師に教えを乞う
私も来週の試験があるので、いまから頑張ります。
外国で学んでいるみなさん、一緒に頑張りましょう!!
関連記事


