みなさんこんばんは。
台湾の大学に正規留学中のマリアは、期末テストで忙しい毎日を過ごしています。
そんな訳でブログの更新も毎日は出来ておりませんでした。
ところが、今日は端午節Duān wǔ jié という国民の休日なので、大学もお休みなんです!!
と、いうことで久しぶりに更新します。
日本だと端午の節句という行事を行いますよね。
端午節はその元になった行事のようです。
なので台湾にも端午の節句あるのねー!!とかいうのは、ちょっと恥ずかしいかも知れません。
アメリカ人に日本にもスーパーマリオあるんだねー!!と言われて、「いや、それもともと、日本のだから」と言うようなものです。(知り合いが実際に言われたと聞いたので、思い出して言ってみました。)
日本の風習と中国文化との関係
平安時代から江戸初期にかけて、宮中ではどうも華人文化ブームが起きていたようです。
台湾の英語の授業で先生達が好きな課題として「自国の祝日を英語で紹介してください」とか「台湾以外の祭りを英語で紹介してください」があるので、日本の文化を改めて調べる機会が増えました。
台湾にいると私が何気なくいった一言が、「私の知り合いの日本人がこう言ってました」と、後々まで引用される危険性があるため、不容易な発言はなるべくしないように気を付けています。
そんなわけで調べる時はお祭りを主宰しているところの公式サイトを見るなど、なるべく公の人が作ったサイトを参考にしていくのですが、そうしていると共通しているのが、
日本にはもともとこういう風習があったが、平安時代の雅な方々が華人文化をおっしゃれー♪といって取り入れ、それがもともと日本にあった文化と融合された。
それを見ていた平安時代から江戸初期の庶民が「宮中で流行っているあれ、新しいよね!私たちもやろう!やろう!」
という流れになります。
日本人の新しい物好きと、外国文化を積極的に取り入れる姿勢は、この頃から変わっていないんですね。
ただ今回の端午節と日本の端午の節句は名前が同じだけで、やる事はずいぶんと違いますよね。
まず華人の端午節は、旧暦の5月5日です。
日本の端午の節句は新暦の5月5です。そして子供の日で、国民の祝日なんだけど何故だか男の子しか祝われない日で、幼稚園や学校では鯉のぼり作ったり、兜作ったりして、あー、そうそう、柏餅もきっと食べますよね?
端午節はどこの文化か
この端午節は、中国文化華人文化なので、華人が住んでいる所であれば広く行われています。
華人の本拠地中国以外に私がいまいる台湾、香港、マカオ、マレーシア、シンガポールにも伝わっています。
そして日本人としては少し意外かもしれませんが、韓国とベトナムも様々な華人文化を継承しています。
韓国とベトナムに華人文化が受け継がれている理由
世界地図を見るとよくわかるのですが、韓国とベトナムは陸続きなんです。
ですので端午節以外にも華人文化がいまでもたくさん受け継がれています。
端午節といえばドラゴンボートレース
日本でも長崎や横浜のドラゴンボートレースなら知っている人もいるのではないでしょうか?
龍をかたどった船がタイムを競い合うレースです。
華人がいて、船が出せればどこででも、そこではドラゴンボートレースが行われているようです。
台湾では全台湾各地でレースが行われるため、大学のドラゴンボートレースチームや、自分たちで作ったドラゴンボートレースのチームがエントリーしてタイムを競い合います。
ただこれ、台湾人でも興味のない人はまったく興味ないようです。
子供の頃に何度か見に行っただけ。という人もいれば、生まれてこの方一回も見に行ったことがない。という人もいます。
私は2015年の来台時に、まだお友達がいなかったのでたった一人で見に行きました。
ものすごく暑くて、大変でした。
次は見る方じゃなくて参加する方になりたいです。
私が通っていた語学学校、中国文化大学 華語中心でも今年からレースへの参加をはじめたそうです。オフィスの職員さんに私も参加したいなあとFacebook越しに言ったら「おいでよ!」と言ってもらったのですが、テストの忙しさに忙殺されていて返事するのを忘れていました。(汗)
でも私の場合、大学を卒業するまでは、ちょっと参加できそうにありません。2年後の参加を目指していまから体力づくりしたいと思います。
端午節の由来
いろいろな説はあるようなのですが、よく言われるのが屈原さんのお話です。
唐の時代に書かれた續齊諧記に出てくる物語なのです。
むかしむかし、春秋の時代、いまの中国がある辺りで 齊、宋、晉、秦、楚、吳、越による戦が繰り広げられていました。
そんな春秋戦国時代、楚という国(長江流域)に、国王の側近で詩を愛する屈原という人がいました。彼は27歳で高官にまで昇格し、王からひじょうに厚い信頼を得て出世していきました。
ところがそんな彼に嫉妬した他の一般役人が王の前で彼のありもしない悪い噂を吹き込みます。
当時は秦という国(陝西省あたり)が勢力を拡大していた為、楚にとっては秦との関係をどうするかが最大の懸念でした。
屈原は、いちはやく秦国の策略に気づいていて、去年の行いから考えても秦は信用できないと主張していました。
そんな折、秦から派遣された使者が楚の王に秦の王妃との婚姻と親和政策を持ちかけた他、両国が同盟を結ぶ事で他の5か国に立ち向かう事を提案しました。
屈原は何度も王に秦の国を信用してはならないと進言しますが、一向に聞き入れてもらえず、それどころか宮中から追い出されてしまいます。
結局、楚は秦の策略によって戦で負け滅びてしまいました。
王の死と国の今後を嘆き悲しんだ屈原は、その悲しさから石を抱えると汨羅江という大きな河に身を投げてしまったのです。
その事を知った村人は痛く嘆き悲しみ、汨羅江に船が何そうも出され、屈原を探し続けました。それが今のドラゴンボートレースになったといわれています。
また、その時に屈原の身体が魚たちに食べられてしまわないよう、魚たちに食べさせるために投げ入れたのが今の粽(ちまき)の由来だと言われています。
華人の三大祝日
チャイニーズ・ニューイヤー(春節)、端午の節句(端午節)、中秋の名月(中秋節)は華人の三大祝日とされています。
春の大型連休のひとつ「清明節」の歴史と台湾人それぞれの過ごし方に書きましたが、ここ台湾では清明節にお墓参りに行く人が多いです。
客家(ハッカ)の人たちは清明節ではなく、中墓参りに行く習慣があるようです。秋節にお
私はもともと客家のお友達が多かったのですが、歴史が古すぎて私はまだ理解しきれていません。客家の人たちについては、また改めて書きたいと思います。
なお、この端午節にはお墓参りではなく、家で先祖をお祭りする家も多いようです。
台湾のちまき(粽)
清明節にはお母さんが台湾風春巻きの潤餅(別名春餅)をたくさん作って家族にふるまうように、端午節には各家庭でちまき(粽)が作られます。
各家庭の味の他にも台湾各地で使う材料や味付けが異なります。
よく比較されるのが台湾北部と南部です。
私が日本にいた時に食べて感動したのが北部の味付けでした。その後、師大夜市近くに住んだ時に大家さんの奥さんからいただいた手作りちまき(粽)も北部の味付けでした。
台湾北部のちまき(粽)はもち米を使っているので、もちもちしているのが特徴です。そして見た目も茶色いです。ピーナッツ、豚肉のやわらかく煮たのや、卵の黄身が入っています。
台湾の北部では比較的手に入りやすいのが北部のちまき(粽)です。
その他に南部のちまき(粽)というのがあって、これはもち米は使われていないそうで、見た目もしろいので一目見ればすぐにわかります。
その他にも、台湾ならではのベジタリアンの為のちまき(粽)や、デザートちまき(粽)など種類がいろいろあります。
デザートちまき(粽)の味はチョコレート、抹茶などいろいろです。
台湾北部のちまきと南部のちまきはここが違う
北と南の粽、いままであまり気にした事がなかったのですが、よくよく調べると材料や作り方がだいぶ違う事がわかりました。
北の特徴
燻製した竹の葉で包みます。
使っているのは糯米という、少し細長い種類のもち米です。
そしてそれを炒めて調理します。そして最後に竹の葉で包みます。
南の特徴
緑の竹の葉で包みます。
使うのは圓糯米という種類のもち米です。
そのもち米を先に水に浸しておいてから、他の材料と一緒に竹の葉で包み、蒸します。
写真はPx-mart(全聯福利中心)で撮ったものです。
この時期はあちこちで大好きなちまきが買えるので本当に嬉しいです。
茶色い竹で包んでいるのが北のちまきで、右のみずみずしい緑色の竹で包んでいるのが南のちまきです。もう見た目からして違いますよね。
今日ようやく南部のちまきを食べました。
北部と比べて粘り気が強く、お餅を食べているような気持ちになりました。
水分をたくさん含んでいるのか、小さいけれど一個でお腹いっぱいになります。
北部と比べると色も白っぽいのですが、味は結構しっかりしてました。
学食などでふだんから粽を食べられるようになったので、端午節当日は、ちまきを食べなかったのですが。こちらの写真は同じく大学内にあるPx-mart(全聯福利中心)で買ったある日の朝食です。これは北部の粽です。外観からしてもう違いますよね?
北部のちまきも、もちもちしていてお腹いっぱいになるのですが、粘り気対決で言えば、南部にはかないません。ただ、もう食べ慣れているので、やっぱり私は北部のちまきが好きですね。
下の写真は中を割ってみたところです。一般的なものは卵の黄身がまるまる一個入っていると思うのですが、全聯福利中心のものは半分だけすね。
それから一般的には大きな椎茸やピーナッツが入っているものが多いです。
北部のいちばんの特徴は、大根の干したもの(日本でいうならたくあんの様なもの)をもち米と一緒に油でいためている所です。
あなたはどちらのちまき派でしょうか?ちまきを食べた感想をぜひコメント欄で聞かせてくださいね。
なかに包むものは、お店や作る人によって違うので、これとは言い切れないのですが、北部も南部も一応定番はあります。
記事のいちばん下に、台湾の人たちが、ここの物は安心して食べられると絶賛の食品メーカーIMEI(義美)のちまきカタログ2019を載せています。文字だけだと想像がつかないという人は、ぜひその写真も見てみてください。
理由が良くわからない卵を立てる行事
その他、台湾では立蛋(豎蛋)と言って、生卵を立てるイベントをやる人もいます。
もともとは春節の運試し的要素が強かったようなのですが。
私はまだ一度もやったことがありません。大学の同級生にこれなんでやるの?と聞いても、もともとみんなあまり興味がないようで「台湾でやる所があるんだよ」で終りでした。
デング熱除けにいいかも
それからこの季節になると蚊が飛んでくるので、蚊が嫌うと言われる匂いのついたものが中に入っている奇麗な袋をもらったりします。
中国文化大学の学生が全員参加するイベントで作ったり、台湾人大学生のお父さんからいただいたりしたのですが、気が付いたらすべて無くなっていました。
どこへ行ってしまったのでしょうか。
それから、蚊が嫌う草をドアの門の前につけて飾る風習もあります。
日本で言えば、節分の時に玄関に柊といわしを飾りますよね?あんな感じです。
でも台湾で飾っている家をまだ見たことがありません。
みんな見えない所で飾っているのかな?
と、ここまで台湾の端午節の話を書いてきましたが、私は再来週に期末テストを控えているのであまりゆっくり出来ていません。台湾の同級生たちなら、ちょっと実家に帰るとか、遊びに行くのも大したことないのでしょうけれど、私にとって中国語は母語ではないので、けっこう大変です。
この時期にゆっくり出来たのは、台湾にきたばかりの最初の年だけだったかも知れません。
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