日本ももうすぐゴールデンウィークですね。多い所だと10連休になるのだとか。
ところで台湾にもこどもの日があるの、知ってましたか?
こどもの日の歴史
すべては The Universal Children’s Day からはじまった。
ここでは先に、世界に目を向け、子どもを取り巻く環境と子どもの日のお話からしましょう。
スイスのヨハン・ハインリヒ・ペスタロッチ( 1746-1827)は、幼少期のころ、よく祖父が住む村に遊びに行っていました。
ペスタロッチはチューリヒの生まれで、子供たちは学校に通い教育を受けるのがふつうの事でした。しかし祖父が暮らすその村には貧しい労働者が多く、同じ年頃の村の子供たちは教育を受けさせてもらえないどころか、労働力とみなされ大人と同じように働かされているのを目の当たりにします。
彼はこの幼少期にこの事に問題意識を持ち、後に初等教育の父と呼ばれるようになります。
と、言った具合に、ペスタロッチは1746年の生まれですが、彼が生きた頃は子供の地位はとても低いものでした。
ペスタロッチの少し後にドイツでフリードリヒ・フレーベル(1782-1852)が誕生します。彼も教育者でしたが、後にペスタロッチの元を訪れて学ぶなど、彼の教育理念を吸収しています。
フレーベルはペスタロッチの初等教育の影響も受けつつ、より早い年齢の子供に教育を受けさせる自身の教育理念を構築し、Kindergarten、Kindergardenという造語をつくりました。
これはいまの日本で言われている幼稚園の事で、彼こそが世界ではじめて幼稚園を開園した人物なのです。
このように、長年に渡り子供を取り巻く環境はあまり良くなかったようです。
そんな背景もあっての事でしょうか。かなり後になってからですが……。
1954年11月20日、国連は世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として、「世界子どもの日」を制定しました。
子供は決して大人のミニチュア版ではなく、一人の人間として尊重され、年齢や個人にあった適切な教育を受け、保護されるべきであることは、今では多くの方たちが認識されている事と思います。
なんだか少し遅い気もしますが、1989年11月20日にようやく、すべての子どもに人権を保障する初めての国際条約、「子どもの権利条約」が、国連総会で採択されています。
子どもの日、すなわちThe Universal Children’s Dayでは、 「子どもの権利の保障」、「反児童虐待」、そして「子どもを害してはならない」という3つが掲げられています。
そういった背景もあり、日にちこそ違いはありますが、こどもの日は世界の多くの国で制定されています。
台湾のこどもの日の歴史
では、ここからは台湾国内の子どもの日の歴史のお話をしましょう。
台湾ではもともと3月8日を婦女節と定めていて、1990年以前は半日お休みにしていました。
一方、こどもの日は1931年に既に制定されていましたが、1990年に紀念日および祝日の改定というものが行われ、1991年4月4日からは婦女節と兒童節を合併して、まる一日休日としました。
子どもの日を設けて祝日にするにしても、子どもだけで好きなようにさせるわけにはいかないでしょう。子どものお世話をするのには誰かついていないといけない訳ですが、一般的には保護者や大人が一緒に付き添う事になるでしょう。
また、次の日をお墓参りの日とすれば連休になるので、お墓参りの日である4月5日の清明節前日に子どもの日を持ってくることで連休としたのだそうです。
2日あれば一日は子供と一緒に遊びに行けるし、家族みんなでお墓参りにも行けるし、なるほど、理にかなってますよね。
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4月の連休を別の側面から見ると
台湾でも週休二日制はあるのですが、完全週休二日制が取り入れられたのは数年前の事で、それより前はずっと隔週休みでした。
2016年にようやく完全週休二日制が取り入れられたので、近年は連休がふつうの事になってきているようですが、それより以前はこの祝日としての4月の連休がとても貴重なものだったのではないかと思います。
ちなみに2019年のこの連休はカレンダー通りだと4日間でした。長いでしょうか、短いでしょうか?
台湾のゴールデンウィーク
台湾のゴールデンウィークは毎年4月で、子供の日と清明節(お墓参りの日)の連休です。
台北など大都市に出てきている人の中は、この期間を利用して高速バスや電車で帰省し、家族と過ごす人も多いので、台北と新北の人出が少し減ります。
台湾自体が九州より少し小さいぐらいの国土なので、すぐに実家に帰れてしまうのが少しうらやましいです。(離島出身や交通の便が悪い場所の人でない限りですが。)
わかり易い例でいえば、東京から青森の交通の便が悪い所にある実家へ帰省するなんてことになったら、時間と交通費が高いので、気が引けちゃいますよね。
台北新北が実家の人に、休みの日は出かけないの?と聞くと「いつも人でいっぱいだから、近所に出掛けるぐらいでゆっくり過ごす」という回答が多いです。私も東京人なので、その気持ちよくわかります。
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